映画から英語を学ぶ ― ネバーエンディング・ストーリー(後編)

 

Your English Place にようこそ。

 

前回に続いて、映画から英語を学ぶ方法をお話します。

 

冒険の旅を再開する前に、なぜ映画? ということですが、

 

英語の勉強は、なんといってもやはり毎日の継続が大切です。

 

そのためには、ストレスなしに楽しくできる方がいいと思いませんか?

 

特に社会人となれば、毎日いろいろ忙しいし、

 

難しくて面倒な勉強はやりにくいですよね。

 

続けるためには、楽しさが大事だと思うんです。

 

私もかつて、様々な教材を買ったり、高い英会話教室に通ったりしてみたけど、

 

どれもなかなか続けることができなかった。

 

その一番の理由は、やっててあまり面白くなかったことです。

 

俺ってダメだな・・・ と何度も諦めそうになりましたが、

 

いろいろ工夫して試しているうちに、

 

楽しく続けられる勉強法をいろいろ見つけてきました。

 

そんな中でも、とくに気軽に楽しくやれた

 

洋画を英語字幕で観る方法を、まず紹介することにしたのです。

 

確かに映画で全てを学べる訳ではありませんが、

 

英語の勉強が楽しくなるきっかけになるといいなと思います。

 

 

 

前回までは、

 

・DVDで英語字幕を表示する方法

 

・一度、日本語字幕で観る

 

・会話がゆっくりなシーンから選んで観る

 

・リスニング力をアップさせる、英語の音のつながりの法則

 

を、実際のシーンも交えて説明してきました。

 

まだの方は、ぜひ前回、前々回の記事からご覧ください。

 

 

 

今回は、この映画のチャプターをさらにいくつかご紹介します。

 

ネタバレがありますので、映画を観てない方はご注意くださいね。

 

 

 

チャプター2 「いい話し合いができた」

 

映画の一番最初、主人公の1人、バスチアンと、そのお父さんの会話シーンです。

 

ここでお父さんがしゃべっている英語は、けっこう速めなので、中級から上級者向きです。

 

このシーンでは、いくつか意訳(そのまま訳すと分かりにくいので、違う表現に変えて訳すこと)の例が見られます。

 

お父さんは、空想にふけって勉強もおろそかにしている息子を心配して、

 

いろいろ語りかけます。

 

この少年、最近お母さんを亡くしているのです。

 

お母さんの死を、大事なことをしない言い訳にしてはダメだよね、

 

と優しく諭すお父さん。そして次のように言います。

 

 

 

“Stop daydreaming. Start facing your problems.”

 

これは直訳すると、

 

「空想にふけるのはやめて、問題に向き合うことを始めなさい」

 

という意味です。

 

が、字幕では次のようになっています。

 

「本ばかり読んでいないで、空想にふけるのもやめて」

 

この「本ばかり読んでないで」という所は、原文にないのが分かりますね。

 

分かりやすくするために、付け足しているのです。

 

さらに、Start facing your problems などは、ごっそり省かれている。

 

これが意訳です。全体の意味を優先して、訳文を変えてしまうのです。

 

ちなみに英語では free translation、つまり「自由翻訳」と言います。

 

こっちの用語が分かりやすいですね。

 

産業翻訳、特に私の専門の特許翻訳では、基本的に意訳は許されません。

 

原文の意味を忠実に、正確に伝えることが求められるからです。

 

なので、直訳しづらいからといって勝手に意訳してしまうと、

 

クレームが来たり、下手すると大問題になりかねません。


一方、洋画やドラマの字幕では、この意訳が多いです。特に、省略が多い。

 

単に意味を分かりやすくするだけでなく、文字数の制限など、色々な理由があるからです。

 

次のシーンも、意訳があります。

 

 

 

“You’re old enought to get your head down out of the clouds”

 

これは、

 

「お前は、目を覚まして前に進むのに十分な年頃だ」 というような意味ですが、

 

日本語字幕では、

 

「もう大きいんだから、メソメソしないで」

 

となっています。なんたる変わりよう!

 

翻訳者の工夫と苦労がうかがえます。

 

単に映画を楽しむには、これでいいかもしれません。

 

しかし、英語と日本語が対応しないので、英語の勉強には使えないですね。

 

このため、英語字幕を利用して英語を学ぶ場合は、

 

日本語字幕は見ずに辞書を引くなどして、

 

英語字幕から直接意味を読み取った方が良いです。

 

 

リスニングが上達してくると、英語と日本語字幕との違いにも気がついて、

 

どんどん面白くなっていきますよ。

 

 

チャプター12 「悲しみの沼」

 

女王様を救う「薬」を探して、旅を続けるアトレーユ。

 

どこを探しても見つからず、

 

最後のチャンスにかけて、危険な沼に向かいます。

 

そこで・・・ 愛馬 Artax が沼に足を取られて・・・

 

 

悲しいお別れのシーンです。

 

セリフは少ないので、英語の勉強というのには何ですが。

 

この映画で、最も悲しいシーンでしょうか?

 

馬好きな私にはつらいなぁ。

 

 

 

チャプター13 「コウラ山のモーラ」

 

その後、一人寂しく沼地を進むアトレーユ。

 

そこに、山のように巨大な亀?が現れます。

 

 

 

探していたモーラと、やっと出会えたのです。

 

モーラはかなりゆっくりしゃべるので、とても聞きやすい。

 

この映画の登場キャラ中、一番ゆっくりしゃべります!

 

“Not that it matters” (どうでもいいんだが)

 

というのが口ぐせで、

 

すごく眠そうな上に、くしゃみばっかりして、

 

その理由というのが、

 

“We’re allergic to youth.”

 

「若さにアレルギーがあるんだよ。」

 

長生きしすぎたんでしょうかね!

 

ここでアトレイユは、病気の女王様を救うヒントを得ますが、

 

それを聞いて絶望してしまいます・・・。

 

苦難の旅は続く。

 

 

 

チャプター14 「危ないところを」

 

疲労困憊のアトレーユ。

 

もう歩くのも限界です。

 

悲しみの沼に沈みそうになり、その上、他の危険も・・・

 

 

 

危機一髪のアトレーユを、

 

幸運のドラゴン、ファルコン登場して救います。

 

英語では “Falkor” ですが、なぜかファルコンと訳されています。

 

この、顔だけ見たら犬にしか見えないファルコンも、

 

ゆっくりしゃべるので聞き取りやすいです。

 

しかし、全然怖くないドラゴンだなぁ。

 

 

チャプター15 「ウグルとエンギブック」

 

 

沼地で傷を負ったアトレーユを看病する、小人の夫婦?

 

じいさんや! ばあさんや! 的な雰囲気の

 

コミカルなやり取りを見せてくれます。

 

このシーンは、普通のスピードの聞き取り練習になります。

 

このじいさん、おばあさんのことを、ときどき wench と呼びます。

 

珍しい単語なんで調べると・・・ 召使い女、田舎娘・・・、

 

聞きなれないと思ったら、古語のようで。

 

おばあちゃんは調合したポーションを、アトレーユに飲ませるのですが、その中味は・・・

 

コウモリの羽根の出汁、イモリ、リザードの脳、ウミヘビの鱗・・・

 

あまり飲みたくありませんね。。

 

 

 

チャプター25 「再び塔へ」

 

 

いよいよ物語はクライマックスです。

 

使命に失敗したアトレーユ。

 

不思議の世界は「無」に破壊されてしまいました!

 

アトレーユは、象牙の塔にどうにかたどり着き、

 

病気の床につく幼い女王様に会い、

 

失敗したことを報告します。

 

 

ここで、発音を学べるシーンがあります。

 

それは、女王様の次の一言。

 

 

この中の everything という単語は、発音が難しいですよね。

 

前歯を下唇に当てる v と、

下を巻く r と、

舌先をかむ th と、

 

の3つの難しい音が連続して入っている。

 

この単語の発音に、苦戦している方は多いんじゃないでしょうか!

 

v の音は、下唇をかむ、などとよく言われますが、

 

実際は、軽く当てる感じに近いです。

 

r の音は、この単語で舌を巻きすぎると、

 

次の th で舌先をかむのが大変です。

 

上の写真は、everything の、ちょうどthing を発音しているところです。

 

口の中をよーく見てください。

 

舌先を軽く噛んでいるのが見えますね。

 

この、軽く噛んだ状態で、

 

ス や ズ を言う練習をしてみて下さい。

 

everything が難しければ、同じ th でもより簡単な

 

anything や something で練習してもいいですね。

 

このシーンは、他にも、

 

with、they、very、cover

 

などの、発音が難しい単語を見ることができます。

 

女王様の顔がアップな上に、

 

ゆっくりしゃべってくれるので、口の形と動きを

 

よく見ることができます。

 

何回も見て、音を聞いて、口真似の練習に役立ててください。

 

さあ、女王様の病気も直すことができず、

 

世界も破壊されてしまった今、

 

結末はどうなってしまうのでしょうか?

 

・・・

 

不思議の世界を救う旅、ネバーエンディング・ストーリーで英語を学ぶ

 

は、ひとまずこれで終わりにしたいと思います。

 

 

 

え? これだけ? なんて言わずに、

 

後はご自身でファンタージェンの旅を何度も楽しんで、

 

リスニング力を高め、ボキャブラリーも増やしてくださいね。

 

皆さんのお役に立てれば幸いです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

次回は、英語を英語で学べる本、

 

「絵で見る英語」 (English Through Pictures)

 

をご紹介したいと思います。

 

70年も前!に書かれたにもかかわらず、まだ十分に使える本です。

 

私もかれこれ20年ほど前、初心者のときに使いました。

 

棒人間などのシンプルだけど味のある絵で、ビジュアルに英語を学べます。

 

それでは、またお会いしましょう!

 

 

 

ABOUTこの記事をかいた人

1972年沖縄県宜野湾市生まれ フリーランス翻訳者・ライター・英語講師 米軍基地に就職するものの、自由を求めて退職。特許翻訳者となる。 地方に居ながら先端技術の特許を翻訳する一方、趣味のサーフィンのために海外に通う。オアフ島ノースショアで仕事をしながらの長期滞在も経験。特許翻訳歴は13年以上。 現在は「自分が独自開発した学習法を教えることで、英語を武器に自由な人生を送る人を増やしたい」という思いから、特許翻訳者としてだけではなく、英語講師として、英語で仕事ができる人材の育成を行っている。